<Header>
<Author: 張巡>
<Title: 聞笛>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 笛を聞く>
<BookPage: 249>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
岧嶤試一臨，
虜騎附城陰。
不辨風塵色，
安知天地心。
營開邊月近，
戰苦陣雲深。
旦夕更樓上，
遙聞橫笛音。
<End Poem>
<Translation>
高い城壁にたって一度こころみに下を見ると、北方蠻族の騎兵の群れがひしひしと城壁のかげにとりついている。濛々と立ちこめる風塵は、はてしもなくうすぐらくて見きわめることができない。このものすさまじい賊軍の猖獗する勢いを眺めていると、天地の神の御心がどこにあるのかそれさえわからない氣がする。しかし、自分にはこれと戦う以外の道はないのだ。門をあけると邊境の月が近くにさしこみ、苦戦つづきで陣營の上には暗澹たる雲が垂れこめている。平生なら大鼓で時刻をしらせるための望樓の上から、朝な夕なに遠く聞こえてくる横笛の音!
<End Translation>
<Formatted Translation>
高い城壁にたって一度こころみに下を見ると、北方蠻族の騎兵の群れがひしひしと城壁のかげにとりついている。
濛々と立ちこめる風塵は、はてしもなくうすぐらくて見きわめることができない。
このものすさまじい賊軍の猖獗する勢いを眺めていると、天地の神の御心がどこにあるのかそれさえわからない氣がする。
しかし、自分にはこれと戦う以外の道はないのだ。
門をあけると邊境の月が近くにさしこみ、
苦戦つづきで陣營の上には暗澹たる雲が垂れこめている。
平生なら大鼓で時刻をしらせるための望樓の上から、
朝な夕なに遠く聞こえてくる横笛の音!
<End Formatted Translation>